腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ




「んっ...」

何度も息を吐きながら俺の首筋に吸い付く七瀬。

暫くして、やっとつけられたのか俺から離れる。

「...やっとか」

「しょうがないでしょ、慣れてないんだから」

拗ねたようにそっぽを向くと、「結城が上手すぎるんだよ」と付け加えるように呟いた。

「...上手いか?」

「うん。...経験豊富なんですね」

「豊富というわけじゃないが..それなりに」

俺の言葉に七瀬は小さく、ふぅん、と呟くと、不機嫌そうにまた顔をそらした。