腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ



「...嗚呼、どうぞ」

あっさりと了承した俺に驚いたのか、数回瞬きする七瀬。

やがて、楽しそうな笑みを浮かべると、先程の俺と同じように首筋に顔を寄せる。

七瀬の髪の毛が触れ、少しくすぐったい。


「...くすぐったいんだが」

「我慢してよ」

俺が不満を述べると、七瀬はそう言ってから俺の首筋に唇をつける。

「っ、」

途端にピリッとした小さな痛みがはしる。