腹黒ちゃんと無表情王子。Ⅱ



そのまま頬、首筋、とキスを落とせば不意に七瀬が俺を呼んだ。

「結城」

「何だ?」

「名前」

「...?」

七瀬は俺の瞳を見ながら少し恥ずかしそうに言葉を口にする。

「愛ちゃんだけずるい、私も名前で呼んで」

二人っきりの時だけで良いから、と拗ねた様に目を逸らす。

「...じゃあ、お前も二人っきりの時は名前で呼べ」

「断ると思う?」

「肯定以外の返事は聞かない」

俺がそう言えば、くすりと笑い俺の首に指を絡めた。

「舜、」

「...憂」

彼女の呼ぶ名前の響きにどきり、としつつ憂の耳に顔を寄せ仕返しの様に名前を囁く。