「由紀ちゃん…」
私のダッシュを見て駆けつけてくれたのだろう
泣きそうなクラスメートが幼なじみに抱き締められている
「由紀…」
「嫌だよ!由紀ちゃん…死んだら私、絶対に許さないから!一緒に吹奏楽でコンクール出るんでしょ!?約束破ったら…許さないよ…」
ひっく…ひっくと嗚咽が聞こえる
「由紀!死ぬな!救急車を呼ぶから!」
無理だよ?
きっと私は助からない
「泣かな…で?」
腕は痛くて上げられなかったけど何とか首を動かしてにっこりと笑った
視界がだんだんと暗くなっていく
「笑って…?わ…って……?」
何回も繰り返した言葉
でも視界が真っ暗になると声は出なくなった
痛みも感じなくなっていた
きっとこれが死…