そんな声は耳に入らない
「間に合って…!」
あんなに幼い子が血塗れになる姿など私は決して見たくない
こんな時に陸上部だったら…
新選組だったら…
文化部の一般人の自分が悔しい
歯痒い!
「退いてください!」
周りの人々は何事?と後ろを一斉に見た
一か八かの勝負にかける
道路に飛び込んだ私の身体は幼い子を歩道に行かせることはできたもののダッシュのまま飛び込んだ私はそのまま道路へと飛び出した
ちらっと見た私の側にはトラックがいた
何ともいえない衝撃を身体中を駆けめぐり私は反動で少し浮き落下するのと同時に転がった