ピピと高い音をたてて鳴り響く目覚まし時計
「あと5分…」
目覚まし時計を叩いて静かにさせる
シーンとした部屋に怒鳴り声が聞こえたのは一分もかからなかった
トントンと階段を上る音
「由紀!起きなさい、遅刻するわよ!」
「お母さん…あと五分…五分で良いから」
母親は許してくれずに頭をお玉で叩く
ヒンヤリと冷たい金属の感覚が目を覚まさせる
「痛…叩かなくても良いでしょ!?」
ガバッとベッドをはねのけると見えた時計
起きたばかりの目をパチパチさせても変わらない時計の針