ピンポーン


「あ、今行く!」



いつも通りの時間に、聞き慣れたインターホンが鳴る。




前髪よし、



制服よし、



寝癖はなし。




何回目でも緊張する、好きな人との登校。



そんな、当たり前で、当たり前な幸せにドキドキする。




「ママ、行ってきます!」



がチャリと扉を開けると、大好きな人。




「はよ」


「おはよう、紘大」



ちょっと無口だけど、優しくて、かっこよくて、自慢の幼馴染み。




・・・兼、あたしの好きな人。




「・・・行こっか」


「うんっ」





こんな当たり前の日々が続くって、




思ってた。