リンダは牛舎の中で腰を手に当て仁王立ちの状態から天井を見上げ、そう考えました。

そう思ってると南はボスの頭を撫でながらリンダに向かってこう言いました。

「この前、言ったけど、この星、ホントにコンビニは無いのか?」

南は妙に真剣な表情です。

「無いわよ。だって、この星に住んでるのは、あたし達一家族だもん。バスが通ってるだけでも奇跡よ。コンビニは、そのバスに乗って隣の太陽系まで行かなけりゃ無いわよ」

南はそれを聞いて落胆した様な口調で「そうか」と言うと、再びボスの頭を撫で始めました。

「――ひょっとして、あの、ゼリー飲料、欲しいの?」

リンダの声に南は小さく頷きます。

「あんな物より、メイおばさんの料理、食べて見れば良いじゃぁ無い。良いチャンスじゃぁない。食事はね、栄養補給するだけじゃないのよ」