「地球に行きたいのでは無いのかね?」

それを聞いたリンダの心が急に萎えて行くのが分りました。

「そりゃ…地球は、あたしの憧れだけど…」

「だけど?」

「うん、あいつの事を見てたら、地球って、意外と済みにくい処なのかなぁって―思った」

「成程ね。土地の良し悪しは済む物が決める。そう言う事じゃな」

ミルおじさんの向かい側に座って居たメイおばさんが、やはりコーヒーカップを片手にこう話しました。

「リンダ、地球はね、暮らしやすい☆だって言う事に変わりは無いわ。『優秀』と言われる人達の集団だけど、人は皆、同じ。南君も同じよ。心を込めて接して居れば、必ず素直に応えてくれるわ」

「心を……込めて?」

「そう、それが大事」

メイおばさんはそう言って再びにっこりと微笑みます。

成程、自分の事を包み隠さず曝け出す。

南みたいな奴に接するには、先ず警戒心を解く事が大切なのかもしれない。

リンダはおばさんの言葉を心に刻んで、南に素直な心で接して見ようと、心に決めたのでした。