はあはあはあ。少女は走る。ただひたすら全力で走り続ける。

少女の息が静まりかえった夜の街に響く・・・。

ドンッという音がした。少女の前には壁。

「まてよ!おじょうちゃん?」

怖い顔。暗くてよく見えない。ピチャっピチャっ。しずくが落ちる音。

赤い水滴がその男の手に持っているものから垂れ落ちる。

「助けて!!誰かぁ!!!!!」

小さく震えたその声は必死だったが、届かない・・・。

「さあ。両親の元へ行っておいで・・・。」

ドグゥ!!

「何これ?・・・。」

少女は泣くことさえ出来ぬまま倒れこむ。

胸元から流れる赤い液体。少女は感じた。

「私は死ぬんだ・・・。」

薄れる意識。最後に聞こえたのは、誰かの


 足音・・・。