「どうしてこんなことするの!!!!」

「ごめんなさいっ!!もうしません!!!!」

叫ぶぼく。

なんで許してくれないの?

ぼくはお母さんに怒られ、家を出た。

家にいても殴られるだけ。

まさとはいいな。

おばあちゃんの所に行けて。

けがだらけのぼく。

走って逃げた所は野原。

そこにはクローバーがたくさん生えてた。

そういえば、四つ葉のクローバーを見つけ たら幸せになれるんだよな。

幸せになりたいよ。

ぼくは必死になって探した。

どうして見つからないの?

どうして?

涙がポタポタ、落ちる。

ぼくは幸せになれないの?

「はい。クローバー」

そこにはぼくと同じくらいの女の子がい た。

手にはクローバー。

三つ葉のクローバーの一枚を半分に裂いて いたクローバーだった。

その子は笑顔だった。

だから涙が一瞬で止まった。

この子のおかげでぼくは幸せな気持ちにな れた。

「君は誰?」

「わたしはさくらこだよ」

さくらこ。

きっと忘れない。

ぼくはいつの間にか恋をしていた。

君のおかげで俺は世界で一番幸せになれ た。



「大好きっ!!」

そう言われたとき。

涙が止まらなかった。

桜子が抱きついてきた。

この涙を見られなくてよかったな。

もうあの涙だけでじゅうぶんだよ。

君にみせるのは。

あのクローバーは幸せのクローバーじゃな かったけど。

でも俺、幸せだった。

あのクローバーは初恋を呼ぶクローバーな のかな?