「どうして?」

どうしてまさやくんなんかが私の夢に出て くるの?

せっかくの気持ちいい朝が台無し。

プンプンしながら着替えて、ご飯を食べて 家を出た。

なんでこんなにも考えてるのかな?

失恋のときは吹っ切れてたのに

このことは長く考えてる。

答えなんて出そうにない。

なら、聞くしかないじゃん!!

「まさやくんちょっといい?」

ちょっと顔を怖くして言った。

まさやくん、驚いていたし、嫌そうな顔し た。

なんか、モヤってする。

まぁ、いいや。

「おう…」

ねぇ、ちゃんと本当の話を聞かせてね?

心で呟いてみる。

「…この前言ってた話、聞かせて」

人がいないところで話し始める。

私はじっとまさやくんを見つめた。

真実を教えて。

「何の話?」

「私の過去の話!!」

まさやくんの目が揺らぐ。

嘘ついてる。

……なんでわかるんだろ。

まだ会って、そんなにたってないのに。

私、あなたを知ってた。

「お願い…」

「言ったってお前は俺を好きになってくれ ない…」

ボソって呟いた。

拗ねてた。

かわいい、愛らしい。

聞こえた。

あなたの心の声。

「もう、とっくに好きになってるし」

言って初めて気づいた。

私、まさやくんのこと好きなんだ。

「え?」

まさやくん、驚いてた。

うん。

やっぱり好き。

こんなに好きな人いたのに。

「バカ…」

「…お前、まさとのことは?」

「フラれたの」

笑顔。

苦笑いとかじゃなくて本当の笑顔なの。

「好きです」

ちゃんと告白したよ。

私の口からちゃんと伝えた。

「おせぇ。俺なんて……ずっと前から好き だった」

拗ねてる。

でもこのセリフどこかで聞いたことがあ る。

「これ…」

まさやくんが出してきたのは四つ葉のク ローバー。

どうして?

あ。

全部思い出したよ。

「私の初恋はあなただったんだ…」

「お前…」

「うん。思い出したよ。だって、クロー バーは私とまさやくんのキューピットなん だもん」

涙が思い出と一緒に溢れてくるね。

まさやくんの顔、見れない。

てかこんな顔見せたくない。

「大好きっ!!」

だから私は抱きついて、顔を隠すの。

泣き止むまでこのままで。