私の初恋って誰?

う~ん。

まぁいいや。

「どうだった?」

私に近づいてきたのはくみ。

なんか笑顔。

「どうだったって?」

「告白のこと」

なんかいつものくみじゃない。

てかテンションちがくない?

「あなた、誰?」

「くみだよ~ん♪」

両方の人差し指をほっぺたにあて、ウイン クをしながら言っていた。

誰?

「まぁ、いっか」

「そうだよぉ」

「ねぇ、まさとくんに言ったの?」

「何を?」

「私の気持ち」

「え?」

眉毛が上がった。

もぅ!!

言ったんだ!!

最悪。

「あれ?」

「な、何!?」

「胸がなくない?」

そうだ。

なんか変だったの。

やっとわかった。

「あなたはくみじゃない。しかも男ね」

男じゃなかったらビンタだね。

「……ばれちった?」

声が変わった?

「くみ姉さんの弟でぇす」

「双子?名前は?」

「双子だよ。名前はみらい」

「え?漢字って…」

一緒?

でも反対か。

うわ。

そうそう、くみも來末って書くの。

もし、そうだったらなんか複雑だな。

「一緒…」

「みらいってなんでここにいるの?」

「くみ姉さんが風邪だったから、俺」

なんか、急にしんみりなってない?

「まさとに会いたくて」

「え!?ホモ!?!?だから私の邪魔を?」

やだ。

敵はこんなにも近くにいた。

うぅ。

フラれたけど♪

「ちげぇ。まさとは俺の兄さんみたいだか ら……変な虫がついちゃいけないと思って邪 魔した」

へぇ。

私、いつの間にか吹っ切れてたみたい。

「まぁいいや。くみは大丈夫なの?」

「大丈夫だよ」

みらいの笑顔が輝いていた。

なんかキュン。

もし、私がみらいと付き合ったら。

幸せかな。

なんて妄想してみる。

あ。

くみが無表情で私を睨んでる。

やっぱり幸せにはなれないね。

私って幸せになれるかな?



「俺が幸せにしてやる」

「嬉しい…」

「ねぇまさやくん…」

「なんだよ」

「ありがとう」

これは夢?