「ごめん…で、どこから案内しよっか」

「どこからでも」

また、笑顔。

てかまさやくんがいるとは聞いてないよ?

二人っきりかな?

って思っていたのに…

ちょっとショック。

「…早くしろよ」

「うるさいわね。なんであんたがいんの よ」

ヤバッ。

本音がポロって出ちゃった。

まさやくんは私を見て、驚いていた。

どうして?

「じゃあ、行こっか」

一応笑顔。

ちょっと雰囲気、暗くない?

「はぁ~」

疲れた。

なんでさ、静かなの?

なんかテンションを上げて欲しかった。

話しづらかった。

私ばっかりつらい思いしてる。

「くみにグチろ」

私は携帯を取り出し、くみに電話をかけ た。

「何?」

「今日の放課後、転校生の双子に校内案内 するのを知ってて早く帰ったでしょ?」

怒りぎみで言ってみた。

なのにくみは冷静に私に返事をくれる。

「もちろん。変なことに関わりたくない し」

ひどい人だねぇ。

「で、まさとのこと好きなんでしょ?」

「よくわかんないや」

気づいたら、違う話になってた。

くみって話題を変えるのがうまいよね。

「まぁ、私には関係ないか」

「友達でしょ?ひどいよ」

「私はひどい女だもの」

「なによ!!こっちだって大変なんだから」

それから私のグチりタイム。

その一晩はくみに付き合ってもらいまし た。

気づいたら寝てた(笑)

「おい。クソ女」

まさやくんがなんか言ってる。

昨日はあんなに静かだったのに…変なの。

「お前のことだよ!!」

さっきからうるさいな。

静かにしてよ。

てか呼ばれてる女の子もそろそろ話せよ。

「桜子…」

くみに呼ばれた。

「何?」

くみは呆れたように教えてくれた。

「まさやが呼んでる」

「まさや?」

へ?

私はくみがいる方の反対側を見た。

そこには仁王立ちしているまさやくんがい た。

きゃは(*≧∀≦*)

これ、すごいヤバい状況。

「なんで返事しねぇだよ」

「名前を呼ばれなかったし」

ちょっと言い訳。

「まさや。桜子がかわいそうだからやめた げて」

くみが仲裁に入ってくれた。

恩にきる友。

「くみ…か。久しぶりだな」

「気づかなかったの?」

「相変わらず怖い顔だな」

え?

くみさん、怒るよ!?

でもくみの顔は般若にならず、笑った。

「ありがと」

「じゃあくみ。こいつ借りていい?」

え?

「いいわよ」

くみ、相変わらず笑ってる。

私は連れ去られてる。

へ?

連れ去られてる!?

誰に?

「まさやくん!!!!」

叫んでも私の声を無視。

なんかムカつく。

てかどうなるの?