「紀衣」



「了」




ザワザワ




私は了の所へ小走りで行った




「帰れるか?」



「うん」




了は私の手を握った



どっからかキャーという声が聞こえる




「もう知られたみたいだよ」



「あぁ、その方が良い

紀衣は俺のだって解らせる為には良い」














「了ーっ」



「呼んでるよ?」



「ほっとけば来る」



「了、酷いぜ!
無視するんだからさー」




目の前に立ったのは茶髪にツンツン頭の不良君




「無視してるつもりはない」



「俺には無視してるように見えるの!」