「…私の古書もある。そこにはな…『嵐が丘』の初版本がある。作者名もエリス・ベルと書かれてある…祖父が落札したものだ……手袋をつけて、壊さないなら読ませてやってもいい…値段はわかるな」
「わ、わかりましたっ!読ませてくださいっっ!」
「…じゃあ、よろしく頼むよ」
速攻引き受けてしまった。私のお小遣い20006か月分なんて、無理だし、そもそも現存数が少ないし、そんなもの、私が手にすることなど絶対ないと思われていた、あの代物が目の前に…ということを考え、私は簡単に引き受けてしまったのだ。
私は異常にテンションが上がってしまった。貴重すぎる本を読めるかと思うと、胸が疼く。まさか、本物が日本にあったなんて…それもこの校舎に…楽しみだーーーーーーーーー!!
そんなこんなで、見事につられた私。あっ、でも本当に嵐が丘の初版本はあった。あの時の光景は忘れない。全て英語だけど、なんとなくどこかはわかった。
以来、私は旧図書室に入り浸っている。新図書室に文豪たちの作品がないのは、こちらに持ってきたからだそうだ。


