翌日、結局両親は蒼い顔をしたままだった。
教室に入るなり紅葉がこっちに駆け寄ってくる。
「衣織さんっ!あのノートなんですかっ?昨日あれを見た後、母の様子が変なんです」
「うちも同じだよ……?」
ん?なんか違うような…そうだ。
「紅葉のお父さんは様子変じゃないの?」
「はい…別に何とも」
うちは明らかに両親ともども様子が変だった。紅葉のところはお母さんだけだったらしい。
その日の授業は、基本的にオリエンテーションだったのでテキトウに聞き流した。
そして、私たち二人は六時まで学校に身を潜めた。両親には「図書館で勉強してくる」とメールしておいた。


