設計者を呪いたいほど長い廊下を突き進み、理科室の前に辿り着いた。
そこには、あの名無しのノート。私はためらいなく、めくった。
さっきまでの変な予言めいたことは書かれていなかった。代わりにこんなことが書かれていた。
「お久しぶりです。『名無しのノート』覚えてますか?あなたは知らないかもしれませんね。これを両親にお渡しください。そして赤羽根紅葉の両親にも渡してください。明日の午後6時に、学校で待っています」
文面を見てもよくわからない。ここで言う「あなた」は私と認識してもいいのかな?
それに、紅葉の両親にも…どういうこと?親に見せて、何が目的だろう?
様々な考えが頭の中を渦巻く。しかし、これだけの情報量で分かるはずがない。授業はもう始まってしまう。帰らなくちゃ。
私はノートを持って教室に帰った。


