「な…堂々と現れたね」
「ええ…先ほどはどうも」
「…もう幽霊って感覚がしないんだけど…礼堂、いや霊堂君」
「さらりと変な名字にすんのやめてくれません?」
なぜか、バスに座っている霊堂君。もう怖くないし、なんか慣れてきた…大丈夫かな、私これ異常だと思ってないし…まあ、悪霊でもないし、いっか。
「…で、なんでここに」
「まあ…49日まで暇を持て余しているところです。実際、修行とか言いますが、面接ですからね」
「…そんなに最先端なの?」
「ええ…お所とお名前をとか、死んだ場所はとか、好きな曲はとか…高校の面接より簡単でしたね」
「そうなんだ…なんかショック」
「そうですか?地球も進化してますから、死の世界も進化するでしょう」
「…そうなんだ」
さっきまでの気持ちはどこ吹く風、今は色々なことを忘れられた。


