お通夜が終わり、翌日出棺となった。
火葬が始まり、私は外に出て外気を吸う。
とても晴れ晴れとした雲ひとつない青空。母さんらしい。
風が妙に冷たいけど、陽だまりの中ではちょうどよかった。
親族が集まると、300人くらいになるため、火葬場に来たのは数十名だった。親戚、従弟、おじさん、おばさん、それに父さんが集まった。親戚一同で集まるのは、正月ぶりである。
涙を流している人もいた。私に声をかけてくれる人もいた。様々な人が悲しんでいる。お母さんは幸せだと思った。
…さっきから私は、こんなことばかり考えている。お母さんが死んだのに悲しくない、けど、虚無感が私の感情を支配しているのは、紛れもない事実だった。
悲しくないけど…悲しい?私自身のことなのに、自分が理解できない私がいた。


