「京一のことが、嫌い」

嫌いなんて、滅多に人に言う言葉じゃない。
でも言ってしまった。

私、白瀬千鶴は後悔した。

今まで、いつも一緒に居てくれた幼馴染の京一に、さっき私は「嫌い」といった。

…ほんとうに嫌いなわけはなかった。
ただ…一緒にいると、胸が苦しくなってしまう。

京一とはずっと一緒だった。楽しかった。
でも中学二年生の冬、京一が言った言葉で私の楽しかった日々は終わりを告げた。