悪魔の彼





私はポーチに入っていたネックレスを静かに首にかけた。




ニアは少し早足で馬車へとむかい、またもう一度こちらを振り返りにっこりと笑った。





「もう一台馬車がくるの!二人はそっちで帰ってね♪」



今度は二人に聞こえるように言った。




「わかった。」




イアはそう言うと私に笑いかけた。




「シルヴィア、いいよな?」



「あっ、うん…」




私の頭の中はさっきニアの言った言葉でいっぱいだった。


そのせいか、顔は一気に赤く染まり、イアの笑顔に今までないほど胸は高まった。




伝えたくはなかった。



これだけ好きなんだ


もし拒絶されたら…話してくれなくなったら




そう考えると怖くて、この関係を崩したくはなかった。


……イアがいなくなるまでは