そう言って走り外へ急いででると、そこには純白に金で王家の紋章が刻まれた馬車がすでに用意してあった。
どうやら近くにいつでも出られるように待機している馬車があったようだ。
王の城の近くに、そのような馬車が用意されているのは当たり前かもしれないが、それにしても早かった。
流石と言うべきなのだろうか?
「さあ、帰ろう。王宮へ……そしてなにもかもはっきりとしたことを城の皆に報告せねば。」
アイリウスが優しく微笑む。
そしてその横ではニアが悪戯っぽく笑った。
そして軽やかな足どりで私の元へくると、耳元で他の誰にも聞こえないように囁いた。
「……シルヴィア、貴女のイアにたいしてのその気持ちも馬車の中で整理しなさい♪そして………その思い伝えると何か変わるかもしれないわよ?」
ニアは私の気持ちに気付いていたのだ。
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