部屋にいた兵士達はいつの間にかいなくなっていた。
気を使ったのだろうか?
イアを縛り付けていた拘束具もなくなっていた。
「ここからでよう。私はこの部屋を封印することにするよ」
王が呟くように言った。
その言葉は私達にも届き、二人は黙って立ち上がった。
「さあ……」
そう王に導かれて私達はこの部屋を出た。
扉をくぐるとそこには小さな紙が落ちていた。
『感動の再会に祝福を
アルビーダウス』
と黒いインクで走り書きされていたそのかみは、私が読み終えた途端に弾けて小さな白い花となった。
「アル……」
あの部屋にはアルは入らなかった。
ということは何かあった時のために扉の外で待っていてくれたのだろう。
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