悪魔の彼





私はゆっくりと指差す方に顔を向ける。


そこにいるイアはあまりに痛々しくて見ていられない

さっきは会えた大きな喜びの感情が二人を大きくつつんでいてそこまで気にならなかったものの、今はやはり目を向けていられない




でも、目を背けることはしてはいけないのだ。



イアは私を逃がすために捕まった



私を傷つけないように






そのせいでイアは捕まった

傷ついた




「イ、ア……」





口から自然と言葉が漏れていく


なんでもする


イアが再び目を開けてくれるなら、なんでも






「私、できるのかな?なら…やりたい。もう一度笑顔が見れるなら……」








出来る



出来る



出来る



彼を思う気持ちがあるんだ

例え許されなくても、私は彼を愛してる

好き




また『シルヴィア』って呼ばれたい