「イアっ」
私は走った
自身は走ったつもりだったが、あまりにも早過ぎて周りには、瞬間移動したように見えていたらしい
まあこれはあとから知ったことなのだが……
とにかく、イアが心配だった。
イアのぼろぼろになった服の裂け目からは、痛々しく腫れ上がった傷が見えた。
鞭で打ち付けられたような傷
でも、遺伝のおかげでこれが一線上に伸ばされた電気によるものだということがわかった。
「イア……イ、ア…」
胸が締め付けられた。
いや、鎖で縛られて今にも引きちぎられてしまうといったほうが正しいだろう。
「イア……間に合わなかった……あたしのせいだ!ごめんね…ごめんね…」
そっと手を握る
すると、彼の瞳孔が少し開いた
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