カーテンがたなびく 開いた窓から強い風がふき、部屋の中にあったものが散乱している。 「………んなっ」 言葉を失った クローゼットの扉があき、びっしり詰まっていた洋服が所ぬけている。 最近お忍びで出掛けたときに、執事がイアの洋服をつめていたトランクもなくなっている。 最初は誰かよそ者が忍び込み、王子であるイアを連れ去ったのだと思った。 しかし、私は 机に針で止められる一枚の手紙を見つけてしまった。 その手紙にはこう記されていた。 .