悪魔の彼





息子の顔は青ざめ、いつも通りを必死に装うのを見ているのが辛いほどだった。



「あ、いや、少し気分が悪いだけです。父上」




辛そうな表情をしていたためその解答を私は微塵も疑わなかった。



「そうか。では部屋へ戻っていていいよ」




普段あまり優しくしようとしない私は、こんなときくらい優しくするべきだとおもい、少し微笑んでみた。

すると息子………イアは、驚きながらも素直に頷き、駆け足で部屋へと戻っていった。








私はそれを見ると、ニアの元へ急いで戻った。

妻はオロオロとしながら眉をきつく寄せていた。


しっかりと手を握り、頭を撫でて高ぶる気持ちを宥めてみたが、どうやら落ち着かないらしく今度はしがみついてきた。




シルヴィアの捜索を始めてすでに5時間がたっていた


そうなるのも当たり前のことだった。