クレスコード城には、門の衛兵以外兵がいなかった。
しかし、彼等は迷わずに城の中央の奥にある一つの部屋に向かった。
気配を感じ取られることの無いようにしてあるのか、気配を抑える効果のある壁が使われていたため、正しくは
『シルヴィアが感じた』音と気配をおってだが……
コツコツと響く足音以外に、聞こえる音は無かったが、シルヴィアは王と会ったとき以上に
アルは生まれて初めてなくらい
つまり二人の緊張は最高潮に達していたのだ。
周りには聞こえない音がつねに胸のなかに響いていた。
そして何度か扉をくぐるごとにだんだんと気配と音も近づいてきた。
それと同時に何か言い合うような声も聞こえるようになってきた。
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