そんなことを思っているうちに、アルの喚起の声が聞こえてきた。
そのこえは、自分自身で抑えたつもりだったらしいが、シルヴィアにははっきりと言葉に含まれた喜びが聞こえていた。
「シ、シルヴィア様……つきました。」
そう。目の前には王の別荘と呼ばれることに恥じない王宮に負けない大きな屋敷が建っていたのだ。
「……ここにイアはいるのね?」
「はい。必ず。」
シルヴィアはゆっくりと降下して、先にアルを傷つけないようにそっと下ろすと、自分も地に足を下ろした。
まだ力加減がわかっていない彼女は、周りの物を傷つけたり壊したりしないためにそっと歩く。
たどり着いた門は豪勢できらびやかで、今正に刑が執行されようとしているなんて考えられないほどだった。
二人して言葉を失いながらその場に立っていると、衛兵がよってきた。
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