悪魔の彼






二人は似ていた。



叶わない、誰にも話せない恋をしていて。

でも、純粋で素直なばかりに周りは気付いていて。




初めての繋がりのある人物に戸惑い、でも、お互いが助け合おうとする。


人間界では出会うことのなかった同じタイプの、人ではない彼……





小さな友情に似たしかし、それとは違う何かが目覚めた気がした。









恋でも友情でもない何か












「用意は出来ましたか?もう間に合わないかもしれませんが急いでみましょう。」




「間に合う。行きましょう。」






私は言い切った。


羽はもう広げてあるアルの事を見て、私も羽を広げた。




あの、1番大きく美しい羽を……










「やはり、本物は美しい。ずっと眺めていたいくらいだ……」




アルが小さな声で言ったのを聞きながら、私はペンダントを取り、力を解放した。