悪魔の彼





「イア様の処刑は王の私情や秘密の処刑の時に使用される"クレスコード城"にて処されます。何の刑かはわかりませんが皆様はもうご出発されました。」






アルが話している間に私はもう準備を始めていた。


万が一の時のために着替えを鞄に詰め替える。

もちろんつながり草も……


小さなポシェットは予備に持ってきていたために、少し小さすぎるが何とか押し込む。







「アル、お願いがあるの。私をクレスコード城まで案内して。飛んで行くわよ」




「良いですが、どうしてそこまで必死になれるんですか?」






私は答えに一瞬つまったが、すぐに答えた。










「それはきっと、貴方がフランテさんを思う気持ちと同じだわ。」









彼は少し寂しそうな顔をして、私を見つめた。




「わかりました……行きましょう」