悪魔の彼






顔をしかめたアルがそのあと、小さく呟いた。



「信じていないようなんです……。」








ショックだったが堪えた。

堪えて、心のうちで『どうして?!』と叫んでいた。



だけど前へ進まなければいけないのだ。


私は此処で立ち止まってはいけない。



「そうでしたか……まあ、仕方がないわね。そろそろ行きませんか?皆さん。」



「そうだな。雑談をしている場合ではない。」




カリウスが出てきてそういった。

その言葉を聞いて私達は進むことにした。



短い間の別れを、アルは異常な程悲しい顔を見せた。




特に、フランテを見つめる瞳は……