悪魔の彼





そんな私達の前で、頭を悩ませるのは今度はアルだった。




腕を組み、難しい顔をしているのだ。



「どうかされましたか?アル。」



私がそう話しかけると、彼は何かを思い出したかのような表情になり、次に目を大きく見開いた。





「もしかして……貴女はシルヴィア様では?」




「?さっきそういいましたよ?」





そう。

私はつい先程自分の名前を紹介したばかりだ。



聞き取りにくかったのだろうか?



「どうかなさいましたか?」



私がそんなことを考えていると、隣で今度は大きく口を開けていた。




「あの、アル?大丈夫ですか?」



「おいどうしたんだアルビス。」




フランテも心配そうに寄ってきた。



すると、周りにいた隊員達も何事かと集まってきた。