悪魔の彼






「貴女様にまたお会いできるなんて……アルビーダウス、光栄でございます。」




さっきまでの憤りの強い彼は、もうそこにはいなかった。




「さあ、お通りください……皆、お通ししろ!」



皆不思議な顔をしながらも、隊長命令ということで素直に道を開けた。





私達はフランテにつづいて門の中へ入った。



すると、後ろで門が閉まる音がした。





と、同時に兵士達が近づいて来るおともした。



「もういいかしら、フランテ様。」


「ああ、いいぞリナ姫。」



リナを初めとして、どんどんとフードを外していくが、まだ袖は通し、チャックはしめたままにする。



しかし兵士達にはそれだけで十分だった。


中には、私やカリウスのように見かけない者もいたようだが、こんな大物と一緒にいるのだ。



やはりただ者ではないと悟ったのだろう。