悪魔の彼





「なに?どういうことだ!ならばお客よ、この門を通すことはできぬ!」




一斉に槍やら弓やらを構えはじめる防人達




「さあ、門を叩いた理由を述べよ。」




若いその者は目を鋭く光らせながらいう。


私達は彼等にとって、怪しい者でしかないのだろう。




「そうすぐに熱くなってしまっては、仕事にならないのではないか?」



鋭い目つきを見て、フランテは呆れたような声をだす。




「なんだと!?貴様に言われる筋合いはない!」



「貴様?随分な口をきくようになったのだな?アルビス」





フランテの声にアルビスと呼ばれる青年はかたまった。





「フ…ランテ様、なのですか?」




「ああ。」






フランテがそう言い切ると、アルビスの目にはたちまち大きな水の粒が浮かび上がってきた。




そして彼は低頭した。



それは深く深く……