悪魔の彼






それから約三時間。


日はすっかり上がり、町も賑やかになってきていた。



そんな中私達は、王宮へと出発する最終チェックを終わらせていた。


髪型に、洋服などをしっかり整えてそれらしく見えるようにした。




「さあ、行きましょう。こうやって日が昇りきるのがどれだけ待ち遠しかったか……」



フランテが強い視線を空に向けながらそういう。




その強い言葉に皆黙ってうなづいた。


乗り込むのは今日乗ってきた馬車ではないく、フランテが用意した特別な馬車だった。



魔界王族の紋章が彫られている大きく清潔な馬車は、繋がれた馬さえ誇らしげだった。





ガタガタと音をたてながら進む馬車は、確実に王宮へと向かっていて、私の胸は高鳴ってくる。