悪魔の彼






中から出てきたのは優男風の若い男子だった。
(実年齢はわからないが)



「ああ、昨日の件だね?まさか本当だったとは……」



カリウス王とリナに向けてしかいわないことから、昨日は二人しか来ていなかったことを知る。




「さあ入ってください。」




そう言われて前へ進と、私の前で兵の持つ槍が下ろされた。




「えっ?」



困って眉を寄せる私を見て、フランテがくすっと笑った。


「シルヴィアの力、見せてあげたら?ペンダントを借りる時にどうせ見せなくちゃでしょう?」



しかし、フランテの希望は通らなかった。





カリウス王、リナと同様に悪魔の王も私の事を知っていたためだった。




「ああ、シルヴィア様でしたか。これは失礼した。どうぞ」




そしてその声を合図にしたように槍は視界から消えた。



進みながら振り向くと、入れてもらえないのかセシル、ティープが頭を下げて送り出してくれた。



用心すぎるようなきはするが……