悪魔の彼






私達はそこを通って外へ出た。



王宮までは距離があまりないため、フードを被って飛んで行くことにした。




空を渡っているときは誰も話さなかった。


ただひとり、フランテは不思議そうな顔をしていた。









やがて現れたのは大きな門だった。



真っ黒な、高くそびえるその門は、三種族の中で1番立派かもしれない。






「……ここが悪魔の王宮です。」




皆が降り立つと、門番がやってきた。




「今日は誰に御用でしょうか?お客様。」



「王よ。」




フランテがはっきりというと、門番は困った顔をした。




「お約束は……」



「ない。」




今度はカリウス王が言った。