一刻も早く悪魔の王に会わなければいけない理由がまたひとつ増えた。
出発の朝を迎えた私達は、少なからず緊張していた。
まだとはいえ、魔界王の前へ姿を現す日が近づいているということだ。
フランテこそ余裕を持っていたが、私にはそんな余裕はなかった。
昨日の一件を知らないフランテには、朝早くにラギールが話してくれた。
「さあ、いこうか。」
フランテのひとことで、私達は部屋を出た。
またあの冷たい金属の箱に入り一階までいく。
扉が開くと……
ザワザワッ
案の定ロビーがざわついた。
しかし今日は玄関までの道がきちんと空いていた。
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