悪魔の彼




ライムグリーンの車体に銀色で描かれた家紋は間違いなく王家のもので、カリウス王の趣味にあっているものだった。





キキィ……




ゆっくりと扉が開き、赤いローブが見える。


ゆっくりとしながらも力強い歩調。それは確かに王だ。


こちらを見つめる瞳に懐かしさを感じながら、喜びと希望を持って出迎える。



「こんにちは、カリウス王。」



「こんにちは、シルヴィア様。」



二人は軽く挨拶を交わす。

だんだんと自分の立場になれてきた私は、動じることはしない。