悪魔の彼






「そんなことが……でもそれは私一人の権限ではどうにも……」



「そうですよね……」



期待していた気持ちが少し萎んだ気がした。

でも確かにそうだ。



「じゃあお願いがあるんですけど。」



「何ですか?それにその敬語はやめてください。貴女の方が立場は上なんですから。」



「でも………じゃあクイーンこそやめてください♪そうしたら私もやめます!」



「あはい!っと違った。うん、分かったわ!」




あどけない笑みを浮かべる彼女は、とても嬉しそうだった。




「あの……天使の王の元に一緒に来てほしいの。」




私はたずねた。


彼女だけで無理なら彼にも協力を仰ぎたかった。



一刻も早くイアを助けるために……