「イア様……お久しぶりです。」
あまりの展開に、イアを疑っていた従者は口をぽかんとだらしなく開けた。
(よだれが垂れてきそうだ。)
「貴女は私の記憶が正しければシルヴィア様ですね?大きくなられましたね……」
カリウスは、笑みを浮かべながら私に問い掛ける。
優しい、包容力を感じさせる温かい微笑みだった。
「あの……昨日は……」
私は昨日王座に座っていた人が気になっていた。
この人が本物の王なら、あの人は一体誰だったのだろうか?
「ああ、あいつですか?あれは私の友人ですよ。」
王は立ち上がり、服を整えながら続けた
「私は市民の前に顔を出すときには仮面をつけるので、彼が暇なときはああして代わってやるんです。」
「は、はぁ…」
「彼は私の命の恩人なんです。だから好きにさせているんですよ。」
そういい切った時には、もう二人の眼前にきていた。
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