悪魔の彼






パタン







扉が閉まると同時に部屋にいた人達が一斉に集まってきた。





「大丈夫だった?」



さっき声を上げた子が私に問い掛ける。




私はただうんうんと首を縦にふった。




「あの人雷使いなの。だからあの人に触れると感電しちゃうの。」








自分でも顔がさ−っと青ざめていくのが分かった。


もし、もし触っていたら………

そうかんがえると、目眩がしてくる。


「あなたのおかげです。ありがとう。」




「あたし?あたしじゃないわ。家来さんよ。」




私には理解できなかった。

なにしろ私が見たのは、口を抑えている姿だけだったからだ。




「本当はあたしが叫ぶの知ってたのよ、この人。」




………そうだったのか。


私が彼をじっくり見ているとだんだんと顔が赤くなってきた。







そして控室には長い間笑い声が響いた。