悪魔の彼






『しかしながらご主人様……』



『いいのよ、私達みたいな努力も何もしてないんだから。』








二人の気配はもうすぐそこまできていた。



息をのむ私。

周りの視線を痛い程感じる。





そしてとうとう声がかけられた。







「初めまして、あなたお名前は?」




ずいぶんと優しい口調だ。

だがそれがよりいっそう私の恐怖心をあおった



「シ、シルヴィアといいます。」




私はフロウに助けを求めようとしたが、いつの間にやらどこかへ姿を消していた。





「シルヴィアっていうのね?かわいらしい。私はアンジェリーナよ。よろしく」




彼女は笑顔で握手を求めてきた。



「ああ、はい。」






私も手を差し延べた。