悪魔の彼





宮殿に着くと、広間へ通されるまえに

控室に通された。








そこには派手な恰好をして、化粧を整える女達の姿があった。




団体できたサーカスのような人達から



私のように単独の者まで、いろいろなひとがいた







私は隣にいるフロウに

こっそり耳打ちをした




「何だか皆気合い充分って感じね。」



「まあそりゃ、王族からのお呼ばれなんて滅多にくることじゃないからな。」






フロウは慣れたようすで辺りを見回し、参加者の確認をしている。





と、そのときだった。








『ねぇ、あの子誰だかわかる?』


『いえ、多分新人の方かと。』








小さく聞こえる私の話し

もしかして私に興味があるのかな?

と思いつつも、いったん戻してしまった羽をだそうとする。








『何の特技を持っているのかしらね。』


『ただのイークリンじゃないでしょうか?』


『だったら虐めてやりましょう。』








家来と主人のような会話はだんだんと私に近づいてくる。