悪魔の彼





おもいっきりオシャレさせられて半ば膨れっ面のまま馬車に乗り込む。



宮殿に着くまでに羽を出しておくように言われ、舞踏会の夜のように意識を集中させる。







ババッ





「ふぅ〜。これって案外疲れるね。」



昨日よく眠れなかった私にいつもの余裕はあまりない。




「ふ〜ん。そうなの?」



フロウが不思議そうに言ってくる。


今日はイアはいない。



これでイアがいればフェアリークイーンに会ったときのようだが、今回あいにいくのはちょっと違う。




彼等王族は私を娯楽として楽しむために呼んだのだ。







でも、私は自分の正体をあかさければならない。



しかし言いにくい環境に陥ることは間違いないだろう。