学祭から数週経って、またいつも通りの学校生活を送っている。
花火のあった次の日、珠樹になぜ来なかったと問い詰められて、ありのままを伝えた。
『いや、それ絶対うそでしょ。そんな都合のいい話あるわけないよ。』
珠樹はバッサリ切った。
『・・・だけど、今は信じるしかないもん。』
『・・・・・いつか傷つくのは、あんこだよ。相手も相手だし・・慎重に、ね。』
少しだけ悲しげな顔で、優しく忠告をくれた。
________そして、今度は体育祭が迫っている。
「ね、杏子。体育祭何出る?」
体育の時間、他のチームの試合を見ながら珠樹に聞かれた。
「うーん・・・、バレーかなぁ。」
正直言って、体育は好きじゃない。
出なくていいのなら、出たくない。
だけど半強制的にみんな何かしらの競技に出なきゃならないのなら、バレーしかない。
「だよね。・・・柏木、何出るんだろうね。」
チラッと珠樹を窺えば、何やらニヤニヤしている。
「知らないよっ。」
・・・ちょっと気になってたなんて言えない。