ツーッと一筋の涙が零れてあたしの頬を伝い、床に落ちる。
「・・・それで?」
やっと口を開いた先生の言葉は、やけに冷たく聞こえた。
「あ、あたしに言った特別の意味をっ・・・・・教えて下さい・・・。」
ずっと聞きたくて聞けなかった。
この前より静かに、涙を流しながら問いかける。
あぁ、あたし・・・・・こんなに先生のこと好きなんだ。
答えを待ちながら、思わずそう感じずにはいられなかった。
「お前、バカだな。」
心底呆れたような口調で放たれた言葉に、えっと顔をあげる。
「あれ、俺のダチの彼女。もうすぐ誕生日だからなにあげたらいいかって、ほら、ベタなのあんだろ。ダチも承知済みだ。」
・・・・・・。
なんて王道な・・・。
「じゃ、じゃあ・・・。」
「俺の“特別”は、あんこだけだ。」
殺人スマイルとは違うけど、あたしの心臓を跳ねさせるに十分な微笑みを浮かべて、先生は甘く囁いた。