ワッフルを買い終えても、まるで人は減らない。
もしかしたら、本当にワッフルが買いたいのにこの人だかりで買えないなんて人もいるかもしれない。
『キャー!!』
若干ふて腐れながらいすに座って俯いていれば、急に出店の外で悲鳴があがる。
何事かと思い顔をあげれば、先生が1人の女の人の手を取って見つめていた。
「綺麗ですよ、とっても・・・。」
殺人スマイル独り占めですか、羨ましいこった。
心の中で嫉妬に近い悪態をつきながらため息を漏らす。
「さ、そろそろ俺は職員室戻らなきゃならないので、失礼します。」
少し声のボリュームを上げて先生がそう言えば、女性たちは名残惜しそうに帰っていく。
何が“失礼します”よ・・・、王子様ぶっちゃって。
奥へ引っ込んできた先生は、まだ殺人スマイルを浮かべていた。
「疲れた・・・。」
「ぁ・・・。」
思わず声を漏らしてしまうくらい、久しぶりにあたしに向けられたその笑顔に心臓が音を立てる。
正直、まだデパートのことは忘れ切れてない。
だけど、先生の姿とか、笑顔を見るたびに、あたしの心臓が鳴るのも事実だ。
・・・ほんと、悔しい。

